第1期(2005-2009) 領域横断的な重点共同研究プロジェクト

プロジェクト2: 人工衛星-地上共同観測によるジオスペースの新展開

地球のまわりの身近な宇宙空間であるジオスペースは、人工衛星や国際宇宙ステーションが飛翔する領域であり、そこにおけるプラズマや大気の変動過程を理解することは、宇宙に進出し始めた人類にとって緊急の課題です。本プロジェクトでは、新しい人工衛星-地上ネットワーク観測と領域間をつないだ数値モデルを基にして、ジオスペースを構成する磁気圏-電離圏-熱圏の間でのエネルギー変換や物質輸送の過程を研究します。

リーダー:
塩川和夫(第2部門)
学内メンバー:
野澤悟徳、品川裕之、関華奈子、西谷 望、三好由純

年度報告書 : H17 H18 H19 H20 H21

概要

新しい人工衛星ー地上共同観測と領域間をつないだモデルを基に、 磁気圏ー電離圏ー熱圏の間でのエネルギー・物質の循環過程を研究  

  • ・GEOTAIL衛星ーDMSP、FAST衛星ー地上共同観測(全天カメラ、磁力計、EISCATレーダー、短波レーダー)
  • ・2006年打ち上げ予定の米国THEMIS衛星ー地上共同観測  
  • ・磁気擾乱に伴う熱圏波動のモデリングー観測の比較  
  • ・磁気圏ー電離圏ー熱圏結合モデルの構築  
  • ・北海道に中緯度短波レーダーの設置を目指す

地上レーダーネットワーク観測によって得られた極域のプラズマ流のパターン。地上ネットワーク観測は、このように広い範囲の情報を与えることができます。一方、人工衛星からは「その場」の詳細な情報を得ることができます。

地上の高感度カメラで観測された電離圏の波状構造(カラー)と、その中を横切るDMSP衛星が波構造に同期して変動する電場(黒い線)を観測した例。この波の成因に電場が深く関わっていることが初めて明らかになりました。

上:地上から高感度カメラで撮影されたオーロラのカーテン(青-緑の線)と、それを横切る人工衛星(赤い点)。下:この衛星で測定された、オーロラを光らせているプラズマのエネルギー分布。矢印の部分で、衛星がオーロラの上空を通過しています。このように、人工衛星と地上観測を組み合わせ、オーロラの原因を詳細に調べることができます。

北極圏のEISCATスヴァールバルレーダー。このような巨大レーダーと人工衛星の同時観測は、オーロラや高層大気で起きている現象の研究に非常に役立ちます。

ジオスペースを構成するいくつかの領域と、計画段階の人工衛星の軌道。これらの諸領域を観測する衛星の計画が米国や日本にあり、地上観測との連携もはかられる予定です。本プロジェクトでは、これらの衛星計画にも積極的に関わっていきます。

オーロラによる極域の加熱により地球規模の大気変動が起こる様子を、グローバル熱圏電離圏モデルで計算。こういったモデルは衛星・地上から得られるデータをつなげ、複雑な物理過程を総合的に理解するために役立ちます。